2003.03.08 update
 FanFiction Novel 「いつかまた出逢う」: FINAL FANTASY XI


岩の柱が幾重にも突き出し、見通しが効かないブブリムは、駆け出しの冒険者にとって最大の難所だ。
不思議な光を放つギブブ灯台も、のんきに眺めてる余裕なんかない。
耳を立てて周りの気配に集中しながらそろそろと進んでも、岩陰から現れるゴブリンの目を躱すのは難しい。
ぐるる……
ゴブリンの威嚇のうなり声に、あたしの尻尾がコップ洗いみたいに毛羽立った。見つかっちゃった!
「に"ゃっ!」
思わず呻いて一目散に走り出す。後ろから“ちゃき”、とゴブリンがクロスボウを構える音が聞こえる。
弓ゴブだ! 不幸中の幸い。あいつら弓の腕はヘボヘボだからなんとか逃げ切れるかもしんない!
一本目の矢は耳をかすめて飛んでった。
「ひーーっ!」
ゴツゴツと走りにくい地面をあたしは必死に蹴った。が、肩に熱い衝撃を受ける。次いで激痛。二本目の矢が当たったに違いない。でもそんなことを確認する余裕もなく、走る走る走る。
マウラを示すゲートの近くで、ダルメルのでっかい姿がずーんと倒れるのが見えた。やった!人がいる!
「たすけてぇぇぇぇ!」
あたしは身も蓋もなく助けを求めた。ダルメルを倒したその人が、こっちを振り向く。なんと一人だ。すごいすごい。ダルメルを一人で倒せるなんて。
ずどっ。再び襲って来た灼熱と激痛を今度は腿に受け、あたしは見事にすっ転んだ。
視界の端にダルメルを倒したその人が走って来るのが見える。
「こっち向け! わたしが相手だ!!」
叫び声と共に罵声を浴びせてその人が挑発する。転んでるあたしの背中を踏んづけて、ゴブリンはその人に向かって行く。
こうしちゃいらんない。痛いのを我慢して起き上がり、あたしも片手剣を抜いてゴブの背後に忍び寄った。不意打ちしてやる!
だけど。
「いいから下がって!」
でっかい斧をふりかぶって、その人が怒鳴った。鋭い声に思わずびくんと足を止める。
ドッカン!
炸裂するWS。たったの一撃で、その人はゴブリンを倒してしまった。
呆然とする暇もなく、その人の手から暖かい光が放たれる。光はあたしの全部の傷をいっぺんに治してしまっていた。


「すごーい! すごーい! すごーい!」
マウラの街まで一緒に来てくれたその人は、エルヴァーンの女戦士だった。
でっかい斧を背中にしょって、見た事もない赤い装備を着ている。お腹の開いた、頑丈そうだけど身動きしやすそうで、ちょっとセクシーなその装備は、赤毛のその人にとてもよく似合っている。
すごく綺麗な顔で、背が高くて。あたしはついはしゃいで彼女にまとわりついた。
「別にすごくないわよ。ジュノへ行けば、わたし程度の戦士ならゴロゴロいるわ」
「うわー」
世界中の冒険者が集う国ジュノ。ジュノどころか故郷ウィンダスの他にはマウラしか知らないあたしには、どんなところか想像もつかない。
思わずぽかんと口を開けてたあたしをよそに、その人はマウラの街の中をすたすたと歩いていく。そして向こうから近づいて来た男の人と、親しそうに抱き合った。
「ごめんなさい。待った?」
「いや、釣りしてた」
軽く背中をたたいて二人が離れる。相手の人もエルヴァーンだ。彼も、見た事もない純白の装備を着ている。銀の髪がきれいで、でもちょっと怖そう。その人があたしに気づいてまばたきをした。
「この娘は?」
「さっきブブで拾ったの。ゴブに襲われてたのよね」
「は、はいっ、本当にありがとうっ!」
美男美女でしかも強くて……なんだかスゴイ人たちを前に、あたしは緊張しておじぎした。
「ああ、そりゃあ無事でよかったな」
「さて。わたし達は船でセルビナへ行くのだけど。あなたはどうするの?」
「えっと、あたしもセルビナに、サポートジョブを取りに行きたくてっ、友達が、待ってるから」
「そう。じゃあ一緒に行きましょう。わたし達が一緒なら、海賊がでても安心よ。いいでしょ、グランセス?」
「もちろんだ」
にっ、と口の端をあげて、彼が微笑った。
あたしは飛び上がって喜んだ。


エルヴァーンの女戦士は名前をレイヴン、男の人はグランセスと名乗った。グランセスさんは騎士で、二人ともミッションを受けにサンドリアへ戻るところだそうだ。
船はあたしたちの貸切りだった。夜の便はもっと人が多いのだとか。
「飛空挺を乗り継いだ方が早いけれど、たまたま二人ともマウラに近いとこにいたのよ、それで、たまには船もいいかなぁって♪」
潮風に髪をなびかせながら、レイヴンさんが言った。
「飛空挺……すごいなぁ」
「ティナもすぐに乗れるようになるわよ」
「なんかすごく遠い話な気するぅ」
「まずはサポジョブとチョコボ免許ね」
「はい」
神妙に返事をしていると、グランセスさんが甲板に顔を出した。
「レイヴン! 来いよ!」
「はぁい、今いくわー! ティナもいらしゃい。いいコトしましょ♪」
レイヴンさんはあたしの手をぐいぐいひっぱって、船倉に入っていく。
甲板のほうが気持ちいいのに。星の大樹が見えるかも知れないし。
始めての船旅。海を見ていたい気持ちを振り切って、ついていった。
乗客が少ない分、大量の木箱や樽が積み上げられた船倉の奥に、グランセスさんが毛布を敷いていた。
「準備いいわね」
「可愛いにゃんこもいるしな」
バチンバチンと金属を弾く音がする。見ると、レイヴンさんが装備の留金を外す音だった。あっとゆうまに装備を脱いで、下着だけになってしまう。振り返ると、グランセスさんまでさくさくと装備を脱いでいた。
「えっ? えっ?」
なりゆきについていけずにキョロキョロしてるあいだに、彼と彼女はお互いに手を伸ばしあう。ゆったりと横たわるグランセスさんにレイヴンさんがのしかかって……キスしてる。しかも激しいやつ。
絵になる光景に見とれそうになって、そして頭に血が登った。
「やっ! えっ? あのっ! あたしあっちいってるぅぅ!」
走って行こうと身体を翻したところで、がくんと止まる。
「に"ゃっ!」
レイヴンさんの手がのびて、あたしの尻尾をむんずとつかんでいた。
「逃がさない♪」
後ろからひょいと抱えられて、レイヴンさんに抱きすくめられる。淡い甘い香りがふわっと届いた。
四つの手が動き回って、あたしはあっという間に裸に剥かれてしまった。


「えっ? ちょっと、ちょっとまってぇぇぇぇ」
年上の姉さん達が戯れあってるのを盗み見したコトはあるけど、あたしはまだそんな経験ないしーっ。っていうかコレってどうゆうコトー?
パニックになっているあたしになんかおかまいなしで、後ろからまわされたレイヴンさんの掌が、あたしの胸を触った。細長い指がくねくねと動いて、すごくヘンな気持ちになる。
「やだーっ、離してよレイヴンさんっ」
グランセスさんが身体を起こして、向かいあった。淡い色の瞳が間近から覗き込んで、心臓が跳ね上がる。
そのまま顔が迫って来る。キスされる……あたしは目をつぶった。けど、グランセスさんはあたしのほっぺたに、ちゅ、と口づけただけだった。
息を吐く間もなく、そのまま顔をすべって首筋へ胸元へ唇が移動する。鼻息がかかってくすぐったい。
「ひゃ」
その間もレイヴンさんはあたしの胸を弄り続けている。乳房を持ち上げて揉んだり、乳首をつまんでくりくりと弄ったり。
「やぁぁ……」
二人が触れてるとこから痺れるみたいな感覚が、ぞくぞくと身体を走り回る。どうしようっ……。
「うふふ、可愛いわティナ。初めてなの?」
「う、うん……」
「そうか。じゃあ優しくしないとな」
あたしの耳許で囁いていたレイヴンさんの唇にグランセスさんの唇が重なった。
「んふっ……んっ……んっ……」
レイヴンさんが悩ましく息をついてる。
顔をひねれば目の前で、あわせられた唇の間を舌が激しく動き回っていた。んちゅ、ちゅぷ、と唾液が絡む音がする。レイヴンさんの唇から溢れて顎へと伝う唾液が、あたしの胸元に落ちる。
「は……ぁ……」
つっと糸を引いて、二つの唇が離れた。
「ティナもして欲しいか?」
グランセスさんがあたしの顎をくいっと持ち上げる。返事なんかする間もなく、唇があわさってくる。
にゅる。暖かい舌が入って来た。どうしていいかわからなくて硬直してるあたしの口の中を舌が動き回る。
「んにゅっ……」
舌が舌を捕らえて、柔らかく吸われる。その間もずっと、レイヴンさんの両手があたしの胸を弄っている。
なんだか頭がぼぅっとなってふわふわする感じ。
あたしの耳を軽く噛んでくすくすと笑うレイヴンさんの声が優しくて。あたしを包み込むように抱きしめているレイヴンさんの身体が柔らかくて、あったかくて、何も考えられなくなってしまった。
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